お寺に取材が入りました

今年スタートした寺族主催の精進料理教室「六味」を紹介してくださるとのことで、中日新聞様、中日サービスセンター様、長野朝日放送様が取材してくださいました。

禅寺で精進料理、これはもう問答無用ですね。
道元禅師の「典座教訓」という、作る側の心得が書かれた書、
「赴粥飯法」という、食べる側の心得が書かれた書、
これらの教えを体験できる道場、修行現場がまさに「精進料理教室六味」と言えましょう。
住職も、しっかりとお伝えできるよう、学び直しをはじめました。
食事を作るときも、いただくときも、常に自分が今ここで為すべきことに意識を集中して全うすること、それは禅に他ならないことです。
食事という日常の身近なことから、一緒に学び、喜び、笑い、尊い時間を共有できれば幸いに存じます。

修行道場では、作務の時以外は着物で過ごすことが多いです。
着物を着ると、ことに、帯を締めると、自ずと背筋が伸び気合が入ります。
歩く姿勢も変わります。足の運びも変わります。
だらっと胡座をかくということもなかなかできなくなりますよね。

着物を着て姿勢が整うと、立ち居振る舞いに対しても、日頃意識して居なかったところで気になったり。
そこが大事なんだと思います。
着物を着なくなったことで私達の意識からはずされてしまった和の文化に気付き、更に広めていく「キモノアルキ」という活動も寺族は主催しております。
特別な時にだけ着物を装うのではなく、もっと身近に、もっと普通に身に付けて、色んなことをしてみよう、という楽しくかつ学びの多い活動です。

寺族はお料理教室の日は極力着物で台所に立つそうです。
着物でも家事はできるということを見ていただく、そしてまずは目から着物に親しんでいただく為です。
先代も先先代も毎日着物で生活していました。
着物で割烹着というのがかつての日本のお母さんでしたね。
そんな着物への想いも込められています。

お寺という場所が非日常から日常へ。
着物が非日常から日常へ。
昔ながらの習慣や郷土食、季節食がまた食卓に上がるように。
そんな住職と寺族の想いを、ほんの一部ではありますが、取材を通してお伝えすることができたかな、と思います。

本日夕方のabnステーションにて放送されるとのことです。
お時間許せば是非ご覧くださいませ。 山主拝