沢村大日堂縁日法要

3月4日、松本市澤村にある大日堂にてご供養をさせていただきました。

この地には、かつて賢忠寺という曹洞宗の大寺院が存在し、その御本寺が広島県福山市にあるとのことです。
賢忠寺は、松本藩主をつとめた水野氏ゆかりの寺。
住職を務めさせていただいている東昌寺も水野氏ゆかりの寺にて、その流れからこのご縁に繋がっているように感じます。

明治の廃仏毀釈にて廃寺となり、今ではかつての境内地は広大な墓地となっています。
大日堂は賢忠寺跡の南側に位置し、お堂の他に、首貸地蔵尊、お稲荷様、道祖神が安置されています。
それぞれ地域の方々により、今に至るまでご供養をかかすことなく、大切に護られています。

大日堂のご縁日は、毎月3月の第一日曜日に行われています。
先代住職の代にご縁をいただき、今は住職がつとめさせていただいております。

まず、大日堂にて参加者の皆様と般若心経をお唱えし、続いてお焼香をしていただきました。
その後、町内の公民館に移動し、お念珠回し。
古くから伝わる大きな念珠を皆で回し、健康長寿、地域家内安全を祈りました。

昔から伝わる行事ゆえ、念珠の扱いなどは地域の方が口伝えに申し送られています。
取説頼りではない、face to faceのやりとり、とても大切だし、あったかいなあと思いました。

こういうところから、自然発生的に地域住民同士の繋がりが生まれたのでしょうね。
全てを終え、直会の席では、お稲荷様のご供養を担当された宮司様と「一年ぶりのご無沙汰でございました」とご挨拶をし同席させていただきました。
これも毎年のこと。
宮司様は80歳をすぎておられるとのことですが、現役バリバリ元気ハツラツ!
あんな風に歳をとれたら良いなと思いました。

参列者の高齢化、そして子供達の姿が見えないこと、これほどの地域でも同じような課題かと思いますが、これからはなんとか子供達の参加を促す方法を考えたいと町会の方が話しておられました。
山主拝